デザイナーが知るべき「心理学」とは

デザイナーの今林です。
勉強のために今回読んだ本はこちら

『[買わせる]の心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61』
Webのインターフェイス設計やマーケティングに関わる人へ向けた一冊です。

  1. 心理学を考慮したユーザーインターフェイス
  2. 心理学を考慮したマーケティング

大まかに上記2章で構成されており、その中でも「コーポレートサイト」「ECサイト」「広告ランディングページ」「アプリ開発」へ運用できる視点がピックアップされていました。
そのいくつかを紹介したいと思います。

心理学を考慮したユーザーインターフェイス

この章では認知心理学をUI(ユーザーインターフェイス)へ応用し、人間の視覚の特徴や動きを考えWebサイトのUIを使いやすく、わかりやすく改善するためのポイントが紹介されていました。

有名な話でジャムの法則というものがあります。

ジャムの法則/The Jam Experiment
シーナ・アイエンガーが実験によって見出した法則。試食できるジャムの数を変え、その後の購入率から消費者に最適な選択肢の傾向を導き出したところ6種類揃えた場合は30%、24種類揃えた場合ではなんと3%と選択肢が多いと購入率が低くなる事を立証した。

2018年 株式会社エムディエヌコーポレーション
『[買わせるの]心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61』p.48より引用

要約すると選択肢が多すぎると購入率が下がるという現象です。

この「ジャムの法則」という名称に聞き覚えがなくても、種類やカラーバリエーションの多い商品の購入前に悩んだりと、誰しも日常で体験したことがあるのではないでしょうか?

ですがECサイトで扱う商材によってはどうしても種類が多くなってしまう場合があります。

その場合は適切にグループ分けをしてユーザーが選択しやすい商品数が表示されるようなUIへの改善をすることが望ましいとありました。

例としてアパレル商品を扱うECサイトであれば大まかにシーズンごとに分けることができます。そこからさらにサイズカラーで選択肢を絞ることによって購入率が上がるように意識したデザインへこのジャムの法則を応用することができます。

 

心理学を考慮したマーケティング

2章では一つのWebサービスが選択されるまでには、消費者にどんな心の動きがあるか、どの場面でどう言った印象を持つのか、マーケティングへ活用できる要素が紹介されおり、その中に「希少性の原理」というものがあります。

希少性の原理/Scarcity
社会心理学の分野において、経済学の「希少性」と同様に働く人間の心理。同じ内容の物であっても、需要に比べて供給が少ない時や、手に入れる手段が限られている場合にそのものの価値を高く評価し、供給が過剰な時に価値を低く判断してしまう心理バイアス

2018年 株式会社エムディエヌコーポレーション
『[買わせるの]心理学 消費者の心を動かすデザインの技法61』p.124より引用

身に覚えがある人も多いのではないでしょうか?

残り◯点限り!」「タイムセール」「会員限定」などのコピーを見てしまうと、今すぐに必要ではないのにいずれ必要になるからつい買ってしまった…ということは誰しも一度は経験していると思います。

限定品や在庫が少ないと知ると購買意欲が高まる現象はECサイトにはすぐに応用が効くので、さっそく実践してみようと思います。

「希少性の原理」の応用

こちらは過去に作成したECサイト用のセールスバナーです。

このバナーに希少性の原理を当てはめてもっとクリック率が上がるようデザインを改善してみます。

改善案

数量限定」「在庫限りのプレミアムセール!!」というワードを追加しました。
数が限られている事を強調して購買意欲を上げ、クリック率の上昇を狙えるようデザインを変更しました。

終わりに

心理学と聞くと、とっつきにくいイメージでデザインの業務に必要なのか?と疑問もありましたが、この本を読んでみると日常生活で誰でも経験する事を理論的に、わかりやすい事例を挙げて紹介されているので、マーケティングに関わる知識として知っておいて損はないと思いました。

提示したデザインへの意図や狙いを「このようなユーザー心理に基づいている」と説明することができればクライアントからの信頼を得ることができるので、自身のスキルアップに繋がります。

この記事では紹介し切れないほどたくさんの事例が紹介されているので、今後の業務で制作に詰まった時やユーザー視点でどう思われるか調べたい時などの参考に活用したいと思います。

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